さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜 REVIEW
製品データ
タイトル さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜
ブランド CRAFTWORK
ジャンル ADV
メディア CD-ROM1枚組
定価 \9,240
発売日 01/3/2
プレイ時間 初回:3〜4時間 2周目以降:1〜2時間
コメント編集日:2006.06.10
評価
ストーリー 71
グラフィック 67
音楽 76
総合 72
コメント
ストーリー
開始10分15分くらいは特に何もおかしいところはない。
しかし少し経つと何かおかしいことに気づく。
さらに2時間くらい経つと、いよいよヤバイなと思い始める。
そして終盤になるとそれらの感覚が消失する(マテ

そう感じるくらい、読み手を引き込む力の強いテキスト。
「何かがおかしい」と思わせるのって意外と難しいと思う。
ただ適当に言葉を組み合わせたところでそれは単なる意味不明な文。
ある程度の整合性を持たせつつ違和感を感じさせるにはバランスが大事。

この作品はバランスが見事で、何もおかしくない点と何かおかしい点を上手く混ぜ合わせている。
そしてその比率が気づかないうちに後者にシフトしていってる。

地の文は主人公の心情描写がメイン。
ところどころ句読点なしで一気に大量の文が表示されたり、狂気っぽさが滲み出ている。
・・・まぁ実際には狂気ではないんだけども。
狂気と思わせておいて実は違うということがわかる終盤の種明かしは見もの。
こういったものを扱った作品はそうないだろう。


さて、上述の「何かがおかしい」と感じる点。
明確にここが変とはっきり言えない、どこかもどかしい感じのするシナリオ。
プレイ後の今だから言えるけど、おかしいのは「主人公とヒロインの会話シーン」。
成立してるようで成立してない場面がいくつもある。

また、突然場面が変わったり思わせぶりなCGが挿入されたり、主人公の心情が劇的に変化したりと
どこまでが現実でどこからが現実でないのかが非常にわかりづらい構成を上手に作れている。
雰囲気作りは秀逸と言えるだろう。
これらの中に散りばめられたたくさんのピースが真実を形作っている。

シナリオは上述のように、途中までは雰囲気に中てられそうな展開w
終盤の種明かしは見もの。
100%全ての種を明かすわけではなくて、示唆する程度の部分があるのも良いと思った。
この種がわかるとそれまでのシーンに深みが生まれる。
エンドに辿り着くまでに色々なシーンを見せられたと思うけど、おそらく根底にあるのは非常にシンプルな想い。
たぶん主人公もヒロインも。
だから、シーンを思い返して色々想像するとまた楽しみが生まれる・・・かもしれない。
それくらいの深みがあるシナリオと言っても過言ではない。
しかし裏を返すと、パッと見はかなり意味不明w
各シーンの持つ意味などを考えながらプレイすれば楽しいかもしれないが、単純にプレイするにはちょっと・・・


もちろん欠点はある。
まずパッと見意味不明なので途中でプレイする気力が尽きてしまう可能性があること。
さほど長くないとは言えあの雰囲気の中で何時間もプレイするのは結構辛い。
この作品は所謂息抜きポイントのようなものはないので。(普通の作品で言う「日常シーン」
常に全力疾走しなければならない。

またどのヒロインもエンドに大きな差がないということ。
ああいうオチなので仕方ないのだが、エンドをわざわざ分ける意味があまり感じられない。
しかも雰囲気がアレなので、何回も繰り返しプレイするのは結構精神力がいる(苦笑

とりあえず激しく人を選ぶことは間違いない。
グラフィック
赤い。とにかく赤いw

ひたすら夕焼けの中なので、背景やキャラたちも赤い。
そしてこのシナリオ。引き込まれるのには十分な赤さ(謎

イベントCGはヒロイン1人につき差分抜きで13・4枚。
長さの割にはかなりの枚数。
質も高く、こちらを狂わせるには十分。
立ち絵の変化は非常に少なくあまり役立ってるとは言えない。
しかしイベントCGは強烈なものが多く、それだけでインパクト大。
グロ系CGの出来も良い。
逆にそれ以外のCGが乏しいのだが(爆
音楽
これはやばい(汗
出来良すぎで普通に怖いw雰囲気出しまくり。

全部で14曲、ボーカルは1曲。
全体的に空虚さ、不気味さが前面に出ている。
さっぽろももこさんが作ってると聞いて納得w
無音の部分もあるが、それも含めてBGMの使いどころが良いのも特徴的。
ボーカルの「さよならを教えて」もかなりキてるw
聞いてると狂ってくる(。A 。 )

地味だが効果音の使い方が上手い。
チャイムの音がやばいw
システム
若干クリックに対する反応性が悪い。
また移動場所選択時にセーブが出来ない。
バックログはPgUpキーを使わないとダメ。

古いので多少使いづらいのは致し方なしと言ったところか。
スキップが既読判定ありで高速なのは助かる。
バックグラウンドでも起動するがスキップは停止してしまう。
ディスクレスでも起動するがBGMが鳴らない。

修正ファイルは必ず当てるべき。
総評
考えれば考えるほど深みが増す、その意味ではかなりの良作。
しかしそれゆえに客層はかなり狭まるw
少なくとも普通の作品にあるような日常、クライマックスは存在しない。
端的に言うと良くわからないうちに精神が汚染される作品w
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