| あらすじ |
芸術と歴史に彩られた街、フィレンツェ。
イタリア中部に位置するこの大都市で、3人は共同生活をしていた。
思慮深く物静かな青年パレルモ、無愛想な元警官の男エリチェ、そして面倒見がよく仕切り役でもある若い女性シエナ。
家族でも親戚でもない彼ら3人は、この街である仕事をして生計を立てていた。その“仕事”とは、ある組織から依頼される諜報活動。彼らは、組織のリーダーであるニコラという人物の下、危険を伴う任務に従事していた。
それぞれの名前も、イタリアの各都市から取った偽名である。
そんな3人の暮らしの中に、レーニエという4番目の同居人が加わったのは最近のことだ。
「自分の知らない、外の世界が見てみたい」そんな思いを抱き、ほんの暫くの間だけ、というつもりで、ある日故郷を飛び出した彼女。しかし、世間知らずな女の子のこと。各地を転々と見て回るうち、すぐに精魂尽きてフィレンツェの教会で倒れてしまう。
そんなレーニエを偶然助けることになったのが、現在の同居人・パレルモであった。これをきっかけとして、この4人での共同生活が始まったのである。
一方、フィレンツェで暮らすレーニエを探す者がいた。彼女の名はフランチェスカ。レーニエの親友である女の子だ。
ある日突然、“外の世界”に憧れて故郷を飛び出した親友に対し、彼女の方はむしろ、外の世界とは世俗的で軽蔑すべき場所、という考えを持っていた。
そんな彼女としては、親友の行動は理解しがたい危険なものに思え、軽率に飛び出していったレーニエを探し出して連れ戻さなければ、と彼女自身も親友と同じ世界へと旅立ったのだった。案内役にセスという名の青年を連れて。
そうしてレーニエとフランチェスカの2人が辿り着いた場所、フィレンツェ。そこには、アランという若き殺し屋がいた。
かつては、マフィアの一員として抗争の日々を送っていた彼。しかしある出来事を境に姿を消し、現在はこの街の片隅で、ひっそりと暮らしていた。だが、彼のそんな生活は、マフィア幹部の孫娘であるティを預かった時、ひとつの変化を迎えることになる。
もっとも、その変化は、彼がかつての同朋・セスに出会ってからのそれと比べれば、ほんの小さなものに過ぎないのだが。
パレルモと暮らすうちに段々と彼に惹かれ、この場所を離れたくない、という気持ちが芽生え始めるレーニエ。
セスと共に彼女を探し、連れ戻そうとするフランチェスカ。
そしてセスの旧友アランと、彼に預けられているマフィア幹部の孫娘ティ。
彼らを中心として、様々な人生が交錯し、物語は大きな展開を迎えようとしていた。
・・・このフィレンツェという街を舞台として。
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| コメント |
インタラクティブ・ノベル
直訳すると「双方向」
そのジャンル名通りこの作品は大きく2つの物語があり、それが並行して進んでゆく。
時折視点を変え、交わりそうで交わらない展開が続く。
1つの物語を複数の視点から描いたものは「マルチサイトノベル」
この作品は2つの物語を2つの視点で描いている。
交錯するのは、最後の最後。
落ち着いた雰囲気の中進む物語
あらすじにあるように舞台となるのはフィレンツェ。
登場人物の数は多くそれぞれの背景も皆異なる。
2つの物語は主人公を中心とした人間模様を描く、というより全ての登場人物の背景、人間ドラマを描いている感じ。
それぞれの人物は当然皆何らかのバックグラウンドを抱えている。
日常の言動からはバックグラウンドを伺わせるような部分がしばしば見られる。
彼らはお互いそれが分かっており、一つ一つの言動の持つ意味を自分なりに咀嚼している。
人間なのだから思うところがあって行動しているのは当たり前。
そんな中で立場の異なる人間と出会い、交流に影響を受け少しずつ変わってゆく。
人生その繰り返し。
いずれの人物も芯がしっかりしているため物語は終始おとなしめの雰囲気の中進む。
お互い相手にどこまで踏み込めるか、などといったことを考えているため日常会話は馴れ合いという感じではない。
淡々としておりどこか割り切った部分も見受けられる。
最初から最後までこの流れは続く。
淡白ゆえの
エロゲで良くあるような後半のドラマチックな展開は、この作品にはない。
各々が他者との交わりの中で少しずつ答えに向かって前進してゆく流れなので。
「味がある」と評する人もいれば「つまらん」と感じる人もいるだろう。
・盛り上がりに欠ける、山場がない
・明確ではない。自分で推し量らなければいけない部分も
・笑いや感動があるわけではない
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こういったものが欠点となるだろうか。
(・∀・)=ャ=ャ
並行して描かれる2つの物語。交わりそうで交わらない。
いつ交わるのだろう?プレイヤーはひたすら焦らされることになる。
焦らされる中、登場人物たちは自分の中で自分に対する答えを見つけ前に進んでゆく。
そして。
ラストでついに交わる2つの物語。
時間にしてみれば僅かなものでありテキストにしてみても僅かな量。
しかし、交わされる会話には言外に多くの意味が含まれている。
ここまで長らく焦らされたプレイヤーはラストの彼らの会話を見てニヤニヤすることだろう。
そしてここまで来れば、タイトルの意味も分かるだろう。
噛めば噛むほど味が出てくる物語。
基本的に一本道だがクリア後再び最初からプレイすればさらに見えてくるものがあると思う。
BYEBYE,FOOLS
こんな人にお勧め
・雰囲気ゲーが好き
・自分で色々考察したい人
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こんな人は回避推奨
・裏社会系描写を望む人
・炉利を生理的に受け付けない人
・萌え・燃え・感動などを期待する人
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劇的展開なんてないし人によっては本当につまらないと思うだろう。
その意味ではとても人を選ぶ作品。
しかし萌えゲなどで満足している人に言いたい、 こういうのが人間同士の交流だと。
萌えゲやキャラゲのはおかしいですから…色々と…
まぁ楽しんだもん勝ちだけどね、どっちも。
通常レビューはこちら
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