リトルバスターズ! REVIEW
製品データ
タイトル リトルバスターズ!
ブランド Key
ジャンル 恋愛AVG
メディア DVD-ROM1枚組
定価 \9,240
発売日 2007.07.27
プレイ時間 最短でフルコンプまで30時間以上
コメント編集日:2007.07.30
評価
ストーリー 78
グラフィック 82
音楽 81
総合 79
コメント
ストーリー
非常に評価の難しい作品。

日常シーンは相変わらずの軽いノリでテンポ良く話が進む。ギャグも軽快。
エロゲで良くあるあからさまなものや、現実的にはあり得ないようなものが少ないのは評価に値する。
少ないだけであるにはあるが。
男女問わず個性が前面に出ており、多人数でのギャグを交えた会話シーンはこの作品の長所の一つ。

今回はタイトル通り、日常は集団でワイワイガヤガヤ。
会話イベント以外にバトルや野球といったミニゲームがあり日常を彩っている。
特に野球のバッティング練習はシンプルではあるが細部まで作られており、なかなか楽しめる。

そんな、楽しめる日常シーンの後にある個別部分。
麻枝氏以外複数人のライターが手がけたこの個別部分の存在こそがこの作品最大の短所と言っても過言ではない。

まず第一に、共通部分との繋がりが皆無。
鈴以外のヒロインの個別部分の内容と共通部分の内容は全く関連がなく、お互い別の話としても全然問題ないレベル。
共通部分の一部に個別部分の内容を示唆するような部分や伏線などがほとんどない。
このため共通ルートはヒロインによるイベントの差異がほとんどなく、ただでさえ長い共通ルートがさらに長く感じる。

第二に、↑と関連するが個別部分が唐突&超展開であるということ。
エロゲで良くある後半急展開&唐突に隠れた設定の登場がこの作品でも見られる。
共通部分で伏線も何もないのでかなり唐突に感じる。しかもかなり飛んだ設定。
内容も「無理やり重くしようとしているように思えてならなかった。
これは「恭介の『理樹と鈴を辛い現実に負けないように強くしたい』という願いの表れ」なのかもしれないが。
しかし例えそうだとしても見せ方が良くない。これではプレイヤーはついていけず、感情移入もしづらいだろう。

第三に恋愛描写の欠如。
気づいた時にはいつの間にか好きになっているエロゲ特有のパターン。
日常部分にそれを匂わせる部分がまるでないのでこれまた唐突で説得力に欠ける。

鈴以外のヒロインは合計5人。
つまり最低でも5周、長く変わり映えのない日常部分と唐突超展開の個別部分を読まねばならない。
ここで投げる人はかなりいると思う。そう言えるくらいのクオリティ。

しかし残る鈴のルートとその後のトゥルーエンドルートは麻枝氏担当であり、それ相応のクオリティが感じられる。
鈴のルートは自然な流れで無理がなく、後半に超展開があるわけでもない。
お得意な思わせぶりの見せ方が登場するのでプレイヤーの期待も膨らむだろう。

そしてトゥルーエンドルート。全てのからくりが明らかになるルート。
今まで散々見せられた日常部分に秘められていたさりげない伏線。今までのルートで積もり積もった謎。
それらを回収し解き明かし真実に迫る。
プレイヤーにある程度予想、想像をさせながら物語を展開するやり口は憎たらしいくらいに上手い。
それらの技術と、『友情』を前面に出したトゥルーエンドルートは感涙もの。
男キャラ3人の描き方は秀逸だった。特に恭介は主人公だろ!と言わんばかりの活躍っぷり。

エンディングは賛否両論ありそう。
ご都合主義的すぎるだろ…とも言えるし、「リトルバスターズ」というタイトルを考えれば妥当であるとも言える。
人によって評価が分かれそう。エンディングを2つ用意したほうが良かった…かもしれない。

全体をまとめると、鈴とトゥルーエンドルートの出来は秀逸だがそこに辿り着くまでが辛い、という評価。
途中で投げる人が多いと思う。そういう人にとっては地雷扱いとなってしまうに違いない。
我慢して最後までプレイすれば最後の最後に感動出来る。
その感動が前半の苦労を多い尽くせば名作となる可能性もある。
人によって評価が非常に大きく割れるであろう作品。
グラフィック
イベントCGは差分抜きで100枚弱。
非18禁でえちぃCGがほぼゼロとは言え、ボリュームを考えると少し物足りない印象。

いたるさんの絵は相変わらず眼が異様に大きいが過去作品と比べると相当上手くなっていると思う。
しかしNa-Gaさんの絵と比べるとかなり見劣りしてしまう…
表情のパターンは多く動きも多彩。バッティング練習での小さい絵も素晴らしいクオリティ。

背景の綺麗さも秀逸。
さらに秀逸なのはムービー。特にED。アニメーションが凄すぎる。
見た人ならきっと頷いてくれる…はず。
音楽
ボーカル5曲(別ver含めると6曲)を含めて全部で45曲。
今回は今までと違って神のレベルのBGMはなく、全体的に高いという印象。
日常関連のBGMのほうが印象に残ってるかも。
お気に入りは「魔法のアンサンブル」「デーゲーム」「何も起こらなかった世界」辺り。

ボーカルはOPとED、挿入歌で合計6曲。全てRitaさんによるもの。個人的にはLiaさんやriyaさんの声のほうが好き。
BGM同様いまいちインパクトに残っていない。もちろんクオリティが低いというわけではない。
しかしEDの「Little Busters!-Little Jump Ver.-」はムービーと共に非常に強く印象に残っている。

ボイスは主人公以外フルボイス。主人公はパートボイス。
恭介を演じる緑川光さんを始めとして有名な方々が演じているだけあって演技はどれも素晴らしい。
システム
右クリックからメニュー表示。基本的なものは全て揃っている。
ホイールアップでバックログ表示、ボイスリピートあり。バックログ画面にすると現在再生中の音声は途切れてしまう。
ホイールダウンでメッセージ送り。
セーブロードはサムネイルなし。日付とコメント表示あり。

ミニゲームはバトルもバッティング練習もバランスが良くゲーム性という面では十分評価に値する。
野球は試合でも操作出来れば尚良かったと思う。
総評
地雷にも名作にもなり得るということで、50と100の中間を取って75。それに涙補正を加えてこれくらいの点数で。
いくら後半の出来が良かろうとも前半の出来が酷いのは紛れもない事実で、見過ごすことは出来ない。
麻枝さんの抜けた後のKeyに対する不安を大いに募らせてくれる前半部分だった。
涼元さんの抜けた穴を埋めるのは容易ではないことも良く分からせてくれた作品であった。
ただ今までこの業界を引っ張ってきたメーカーなだけに、核となるメンバーが抜けても頑張っていって欲しいと思う。
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