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| ストーリー |
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あまり大きくない地方都市。そこにある一軒家に1人で住んでいる遥彼方。
両親は他界し天涯孤独の身だったが、そのことにめげる事無く丘の上の小さな学園に通いながら友達に囲まれ楽しく過ごしていた。
ある時、彼方の身の上に思ってもみない事実が圧し掛かる。 驚愕し混乱するものの、何とか心の平静を取り戻した彼方は1つの決断を下す。可能な限りこの現実を守ろう、と。
朝、彼方が目を覚ますと、なぜか目の前に青い顔をして倒れている金髪の少女が居た。とりあえず看病を始める彼方。 やがて目を醒ました少女クリスはとんでもない事を口走る。自分は吸血鬼なのだ、と。 普通ならそんな話、一笑に付す所だったが、彼方は違った。何故かそれを信じ、受け入れてしまう。
それ以来、彼女と過ごすことになった彼方。成り行きで始まったとはいえ、彼女との生活の中で、今の自分がやろうとしている事について考えさせられていく。
今をどう生きるのか、そして何を成し遂げるのか?
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ある日突然身に降りかかった非日常。
それに合わせたかのように登場するクリス、九重ら非日常的要素。
そして元々あった日常。
それらの織り成す見事なコラボレーション。
主人公である彼方に対して感情移入が出来るかどうかが大きな評価の分かれ目。
彼方は良くいるエロゲの主人公とは異なりしっかりとした己を持っている。
様々なことに対する考え方。「実際にこんな奴いねーよ」と思ってしまうかもしれない。そう思ってしまうと一気に駄作。
ヒロインは皆立ち位置が異なるが実に上手く設定を活用できている。
最初プレイした時は「なぜ現実的な話にあえて非現実的な要素を取り入れたのか?」と思っていた。
自分なりの解釈だが、非日常要素を入れることで日常を引き立てようとしたのではないだろうか。
普段いる日常はありふれたものだけにそのありがたみが分かりづらい。
そこへ唐突に降りかかった非日常に加えてさらに非日常を付加することで、日常の素晴らしさを強調したかった・際立たせたかったのではないだろうか。
まああくまで持論。
何を描きたいかが先にあって後づけで設定を決めたのではないかな。
どのシナリオにおいても輝くのは主人公である彼方の生き方。
全てのヒロインは上述の通り立ち位置が異なるためシナリオの風味も当然異なる。
しかしどのルートでも彼方は己を貫き通す。
心を開いて弱さを曝け出しているように見えて一番大事なところは隠し通す。
辿りつく場所が悲しいところだとしても、決して負けない挫けない。達観していると思える部分も多々ある。
お涙頂戴的展開にしなかったのも非常に評価できるポイントだと思う。
上手く端折ったり婉曲的な表現をしたり(クリスNormal Endなど)しているのが素晴らしい。
プレイしてその設定を把握すれば誰しも予想できる流れを使わず、そこへ至るまでの過程で魅せてくれた作品。
優&いずみルートでは「未来ではなく過去を示す」といった斬新なやり口が見られ、各ルートに色をつけているなという印象を受けた。
チープなファンタジー要素は用いず、一人の人間の生き様に焦点を当てた稀有な作品だと言える。
彼方ほど弱くて強い主人公はいないだろう。
弱さがあるからこそ強さ、それに裏打ちされた言動には説得力・重みがある。
強さの裏には多くの葛藤、後悔。
何が正しいのかなんて分からない。それらが身に染みた。
墓まで持っていける超名作。
楽しめるかどうかは主人公に対してどう思うか。それに全てかかっている。
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| グラフィック |
イベントCGは差分抜きで40枚弱。かなり少ない。
ボリュームを考えても少々物足りない。
立ち絵のバリエーションもやや少なくセリフと表情との乖離を感じる部分がいくつかあった。
ここでイベントCGが欲しい!と思う場面で無い、ということも何度か。
板橋先生や朝倉のおじいちゃんなどのサブキャラの立ち絵も欲しかった。
原画はしゃあ氏で絵自体は充分な上手さなだけに勿体無い。
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| 音楽 |
ボーカル2曲を含め全部で15曲。
短い物語を引き立てるのに充分な質。
目立たないが言うなれば陰のMVP。
ボーカルはOPとEDに1曲ずつ。
OPの「Imaginary affair」EDの「こなたよりかなたまで」いずれも名曲。
プレイ後に歌詞を良く聞けばさらに涙がこみ上げてくるだろう。
ボイスは主人公以外フルボイス。
ヒロインたちの演技は◎。萌え萌えしてない声で何より。佐倉の声・演技には死ねた。
でも板橋先生の声は使いまわしすぎじゃないかと思うw
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| システム |
ホイールアップでバックログ。ボイスリピートなし。
セーブロードはサブタイトルとLATEST表示あり。
スキップは既読判定あり、右クリックからメニュー呼び出しで選択する必要あり。
オートモードなし。
キャラごとにセリフの色が違うのは地味に良いシステム。
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| 総評 |
人によって大きく評価が割れると思うので客観的に点数をつけると75点くらいだろう。
しかし俺がこの作品から得たものは計り知れないので主観丸出しで100点。
どのシナリオでも文句なし。泣きまくった。
「ありたいようにあるのは本当に難しい」
当たり前のことを再認識、痛感させてくれた作品。
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