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――ここは、平和な世界。
何のことも無しに、巡り続ける日常の風景。
これまでも、そしてこれからも、心地よく変わらぬ平和が続く……
そんな時代と場所での物語。
主人公、立花慎之助は骨董屋に住み込みで働くごく普通の青年。
十年前の流行病(はやりやまい)で天涯孤独となってから、
丁稚(でっち)としてこの骨董屋……藤袴(ふじばかま)骨董屋に引き取られ、幼い頃から働き続けていた。
今では手代(てだい)として認められ、骨董品を探して旅に出る店の主人の替わりに、一人で骨董屋の切り盛りをしている。
何の取り柄もない慎之助だが……たった一つだけ、十年間続けていたことがある。
それが、お面作りだった。
人々を笑わせることができる、ひょっとこのお面を作り続けていた。
哀しみなんて、世の中にはいらないと思っていたから。
ひょっとこのお面を被り続けてでも、人は笑って生きなければいけないんだと思っていた。
その素顔を、お面で隠し続けてでも……
ある夏の日の昼下がり、慕っている寺子屋の先生から、町外れの古寺に住み着いている少女の話をこっそりと聞かされる。
少女は般若のお面を被っていて、町の人も知らないような山奥に独り住み着いているという。
その夜、慎之助は古寺に立っていた。
虫の音が響き渡る夏の月夜の下で、声が響いた。
「長き時を待った。ようやくこれで、鬼の思いを成就できる」
……そこで、独りの少女と、般若のお面に出会った。
「人間など、誰しも他人を助けるような存在ではない」
古寺の少女はそう言った。
「みんなと支え合うことができるから、私は生きていられると思います」
幼馴染みの少女がそう言った。
人を笑顔にするひょっとこのお面と、人を哀しませる般若のお面。
全ての人が持つ、お面と素顔。
笑顔の意味と、哀しみの存在価値。
優しさと温かさに満ちあふれた、この町で……
恋の物語が、始まる。
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今回の作品は、こんなコンセプトで作られています。
・バッドエンドはありません。全てハッピーエンドで終わります。
・ラストでは全キャラが笑顔になり、幸せと心地よさと共にゲームを終えることができます。
・人の優しさと温もりを心から感じることができます。
この作品では、人として大切な優しさや温もりなど、大切なことを感じることができます。
純粋な恋心、ひたむきな想い、心から安らげる場所……
このゲームをプレイし終えた時、貴方はきっと、今よりも優しくなれるでしょう。
OHPより抜粋。まさしくその通りの内容だった。
ライター2人はいずれもこれがデビュー作。
片方は「聖なるかな」のメインライターであることはあんまり知られていないだろう。
それはともかく1人1ルートで描かれているわけなのだが、複数ルートゆえの矛盾が一切ないのが本作品の特徴。
登場人物の設定や性格などが見事に統一されている。
プレイ期間は10日ほどと短め。
長すぎず短すぎずテンポ良く物語が進む。
シナリオのメリハリ、つまりギャグとシリアスの切り替えがとても上手い。
ギャグは似たようなネタの使いまわしにも関わらず笑ってしまった。
萌えゲ特有の頭の悪い展開が無かったからだと思う。普通の会話で笑わせてくれたのが大きい。
展開としては序盤からある程度シリアスでジリジリ山場へ登っていく感じ。
登っていく過程で両ヒロインと主人公とのやり取りや主人公の心内描写などが描かれている。
主人公とヒロインに偏りすぎず、周囲の人物からの支え・絆を感じられるシナリオだった。
OHPにも記載されているように感動して涙というよりは心が温まる作品。
家族っていいね。
キャラクターは悪く言えば地味、良く言えば現実的・人間的。個人的には大歓迎。
目に見える部分ではなく見えづらい心の部分を深く掘り下げて描いてくれたのはとても良かった。
家族系の話には弱いので何回か泣けた。
劇的な盛り上がりや物凄い感動があるわけではない。
心が温まるドラマのような作品。新人ライターによる作品とは思えないレベルだった。
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| グラフィック |
差分含めずイベントCGは全部で13枚。
少ない。物足りない。えちシーンを除いたらホント数えるほどしかない。
立ち絵のパターンは少なめ、絵自体はまぁ普通?
特に上手いわけでは。下手というわけでもないけど。
背景は結構綺麗かな。
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| 音楽 |
BGMは全部で22曲。ボーカルはなし。
田舎テイストを存分に感じられる落ち着いたBGM。心に染みる。
「雪月花」は名曲。
ボーカルなしボイスなし。ちょっと残念。
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| システム |
ホイールアップでバックログ、ホイールダウンでメッセージ送り。
スキップは既読判定あり。「次の選択肢まで進む」コマンドあり。使う場面はまずないだろうが。
セーブロードはサムネイルと日付、ルートの名前とサブタイトル表示あり。
軽くてとても使いやすい。
オートモードの速度をもっと細かく設定出来たら最高。
ディスクレス起動&バックグラウンドでの起動可能。
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| 総評 |
家族ネタなので万人に勧められるが萌え重視の人には物足りない作品となるだろう。
変に好みの固まっていない初心者向けかも。
クオリティには満足だがシナリオ以外の部分を見るとこれで2000円は同人にしては割高かなとも思う。
が、このサークルは返金システムを取っている非常に優良なサークル。
サークルとしての姿勢が伝わってくる。とても好感が持てる。今後もこのサークルには期待したい。
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