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「青春+恋愛+ロックンロール!!」
前島鹿之助はミッション系の学校『欧美学園』に通う学生だ。部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずにアルバイトにばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。
そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子『椎野きらり』と出会い思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、鹿之助の物語が始まるであった。
バンドのメンバーは、鹿之助、きらり、幼馴染の『石動千絵』、
それから病弱な資産家令嬢の『樫原紗理奈』。
彼らは、存在感のほとんどない、もう廃部も決定してしまった『第二文芸部』の部員たちである。
最後の晴れ舞台、文化祭で目立つために立ち上がったのだ。
無謀かと思えた挑戦だが、エキセントリックな特訓を繰り返し、
平和だった欧美学園にロックの騒乱を引き起こしつつも文化祭ライブを成功させてしまう。
これでもう満足。バンドは解散。普通の学園生活に戻るはず…だった。
だけれども、最後にライブハウスで行った演奏の模様がインターネットで配信されると、彼らの元に出演の依頼が舞い込んでしまう。
どうしよう? もう受験だよ? 家族も反対してるよ?
知ったことか!
そして四人は今にも壊れそうなオンボロワゴンに楽器と夢とそれぞれの期待を積み込んで学園生活最後の冒険として長い旅に出発してしまうのであった。
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シナリオライターは「CARNIVAL」「SWAN SONG」の瀬戸口さん。
「人間」を描くのが非常に上手い。
テキストは一人称と三人称が混じっておりいい感じに砕けていて読みやすい。
展開に無理・無駄がなく、省ける部分はダイジェストのような表記で上手く省いており冗長な感じはしない。
そのダイジェスト部分は説明口調になっておらず部分的に会話を抜粋したりなど、読み手を飽きさせない工夫が目立つ。
登場人物は萌え要素を排しておりかつ話の中で様々な部分を見せてくれる。実に人間的。
序盤〜中盤の共通部分ではあの年齢特有の何でもやってやるぞ精神と、ロックのノーフューチャーの精神を上手くマッチさせていた。
一つ一つのイベントを丁寧に描き、複数の場面で複数の人間同士の絡みを描き厚みのある展開だった。
日常会話は下らないことを糞真面目に語ったりといった現実的なバカさ加減が実に上手く描けていたように思う。
後半の個別パートは各々が抱える問題・事情と恋愛を上手くドッキングさせている。
この作品では恋愛面はゼロからのスタートであり、そもそも恋愛要素が登場するのもかなり後半。
知り合い・友人レベルから徐々にという過程をしっかり踏まえ、その後直面する問題に立ち向かう。
3人のヒロインでクオリティに差がなく、起こるイベントは予想できそうで予想できないものばかり。
シリアスな部分とそうでない部分のメリハリ、使い分けは秀逸だと思えた。
最初で述べた2作品をプレイした俺にとっては、「今回は毛色が違う作品だなぁ」とプレイしながら思っていた。
しかしきらりのルートで瀬戸口さんらしさが存分に発揮されており、いい意味で裏切られた感じがした。
他2ルート以上に先が読めない&深いルートだった。
個別ルートには主人公とヒロイン、お互いの目指すもの・思想・価値観などの違いが、様々な面から描き盛り込まれていた。
大きく目立った欠点は特に見当たらない。
強いて言うならライブシーンはダイジェストで飛ばして欲しくなかった。それくらい。
個人的には、全てきらりのルートのレベルだったら90点以上だっただろうなと思う。
他2人は良く出来ているとは思うが良く出来ている止まりで、ずば抜けた何かがあったわけではなかった。
とはいっても充分すぎるクオリティではあったが。
いずれにせよ瀬戸口さんの今後にますます期待が持てる作品であったことは間違いない。
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| グラフィック |
イベントCGは差分抜きで合計約100枚。
原画は「グリーングリーン」の人。塗りがアニメっぽいのは相変わらず。
表情ポーズ多彩で人間らしさが存分に出ていた。
髪の毛の色や髪型などを萌えゲヒロインのようにしなかった点に好感が持てる。
しかし大事っぽいキャラに立ち絵がないことも。
キャラ絵よりも背景の力の入りっぷりが印象的だった。
ライブハウスの背景は使い回しがない。拘りを感じる。
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| 音楽 |
BGMモードなし。ボーカルモードのみあり、聴けるのは10曲。
ロックなテイストのBGMは場の雰囲気にピッタリ。
抑え目な音量で必要以上に目立ちはせずまさにBGM。
それだけにBGMモードがないのが悔やまれる。なぜ?
ボーカルは作中に登場するバンドが披露する歌が10曲。凄い数。
歌詞がシナリオとリンクしているのがいい。お陰でエンディングは余韻に浸れる。
質のほうは、スタジェネの男ボーカルはそこそこだが他の女性ボーカルはちょっと…
悲しいことに歌唱力がない。エロゲならこんなものか?
主人公以外フルボイス。
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| システム |
セーブロードは100箇所、コメント編集可能、サムネイル表示あり。
既読文章はフォント色が変化。スキップあり(既読判定あり)、速度普通。
バックログはホイールアップで、ボイスリピート可能。
オートモードあり(速度調節可能)
右クリックでテキスト消去(機能変化可能)
特に困った部分はなし。
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| 総評 |
題材としてはそこらにあるものだが料理人の腕がいいのだろう、出来上がったものは素朴ながら味わい深い。
至るところに瀬戸口さんらしさが込められている。
ある程度万人受けする内容だと思われる。
過去作品と比べると鬱要素は非常に少なくなったがゼロではない。耐性の無い人は一応注意。
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