収穫の十二月シリーズ REVIEW
製品データ
タイトル 収穫の十二月シリーズ
ブランド talestune
ジャンル ハートウォーミングノベル
メディア ダウンロード
定価 各々\1,050
発売日 2007/08/17〜12/31
プレイ時間 各々4〜5時間
コメント編集日:2008.05.08
評価
ストーリー 100
グラフィック 96
音楽 85
総合 100
コメント
ストーリー
あらすじを 見る/ 見ない

プレイ期間が1年、登場人物は10人以上という非常に規模の大きな物語。
規模が大きい割に物語は地盤がしっかりしており、最初から最後までぶれない。

地の文・会話文共にロジカルで、時折難しめの表現や婉曲的な表現などを用い読み手の興味を引き付ける。
会話には野暮ったさがなく、台詞と台詞の間にもあたかも台詞があるかのようなやり取りが見られることも。
会話と地の文のコンビネーションが非常に上手い。

物語は十二月から始まり、その後一月単位で進む。
月によって物語の「色」が異なり、読み手を飽きさせない。
季節と関連性のあるイベントが盛り込まれていることで季節感があり、一年間を飽きずにプレイ出来る。
また月により視点が切り替わりそれに伴い物語の主題も変わる。
お陰で常に新鮮さがあり、また伏線が徐々に増えてゆき後半で回収されるという展開の妙がある。

シリアスとコメディのメリハリがしっかりしていることも読み手を飽きさせない理由の一つと言える。
各キャラ共に個性がはっきりしており、それぞれのスタンスは最後までぶれない。
そのぶれないスタンスの上にゲームならではのぶっ飛んだギャグシーンがあり、見せ方にもメリハリが利いているためとても面白い。

新たな月になる度に登場人物が増え、惜しげもなく立ち絵が追加される太っ腹っぷりには感服の一言。
特に夏は非常に多くのキャラが追加されそれまでとはかなり異なる展開の物語となる。
全体の中でちょうど半分過ぎくらいにあたり、状況が大きく変わることで読み手の好奇心を再び煽るのに一躍買っている。

また、各月のサブタイトルはギャグが利いていたり韻を踏んでいたり今までの流れをなぞっていたりと、様々な小技が使われているのも効果的と言える。
特にラストの「収斂の十二月」の収束させ方、そしてエピローグは見事の一言に尽きる。
意味のない要素が一つもない、という印象。
全てを何かしらの意味を持たせて活用している。

個人的に最も評価したいのは、登場人物が皆物語の主人公であること。
主人公は一応柾木ということにはなっているものの、上述のように月によって視点が異なり主題も異なる。
比率的には柾木の活躍が確かに目立つがどの話でも主要な登場人物たちはそれぞれの味を発揮し、脇役に留まっていない。
彼らには彼らの思惑と物語がありそれがしっかりと描かれていた。

規模、深さ、広さ。どれを取っても超一級品の作品と言える。
グラフィック
各月差分を含まず10〜20枚ほど。作品全体として見るとかなりの枚数。
原画はフリーのイラストレーターとしても活躍している上田夢人さん。
上手すぎて何の欠点も思いつかない。
リアルな等身と豊かな表情変化やポーズもさることながら、シナリオの部分でも述べたように 毎月惜しげもなく登場人物とその立ち絵を増やしたその心意気に乾杯。
色鮮やかなはっきりとした塗りも文句なしの出来。

カットインなどは多少あるが演出面は割と普通。
そこまで求めるのは酷というものか。
音楽
毎月1曲、合計5曲のボーカルを含め全部で41曲。
数が多いのは見ての通り。質も企業顔負け。
使用楽器数が多くBGMはいずれも場の雰囲気にあったもの。
中でも「開幕」を始めとする「収穫の十二月」がBGMアレンジされたものや、戦闘シーンで流れる「決起」は素晴らしい。

ボーカルは上記のように5曲。
いずれも同人レベルではないが、個人的には最初の「収穫の十二月」がツボ。
システム
Nスク。

バックログ:有
スキップ:有(次の選択肢/未読まで進む)
セーブロード:日付、サブタイトル表示
オートセーブ:無
クイックセーブ:無
オートモード:有(速度調節可能)

特に不備なし。
シンプルで使いやすい。
総評
一粒で一体何粒楽しませてくれるんだと言いたくなる作品。
プレイ開始当初は単なるハーレムゲーかと思いきや、実は伝奇や戦闘など多くの要素が詰め込まれた作品だった。
脚本が素晴らしいの一言に尽きる。
シナリオだけでなく絵や音楽も一級品。人を選ぶ内容でもないので是非とも多くの人にプレイして欲しい。
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