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――命をかけた、純愛――
真冬。粉雪の舞う大都市に“魔王”が出没した。
望みは、無論、人間社会の崩壊である。
主人公・浅井京介は、学園に通うかたわら、養父のビジネスを手伝って、存外な大金を動かしていた。
倣岸な養父に影響を受けた彼は、才能を余すところなく発揮して、ついには有名企業のブレインとしての顔を持つようになっていた。
けれど、彼は普段はクラシックを愛するひょうきんで明るい青年である。
クラスメイトの椿姫と義理の妹の花音、親友の栄一に囲まれながら、楽しい学園生活を送っている。
そんな京介の平凡な日常にも、危機が迫っていた。
花音の出場するフィギュアスケートの全国大会が脅迫され、椿姫はずっと守ってきた家から立ち退きを迫られる。
学園は謎の集団が人質を取って立て篭り、市内でも富裕層の子供たちが次々と失踪していく。
一連の事件はすべて、地下都市を根城とする“魔王”の仕業だという。
そんなとき、一人の少女が訪ねてくる。
少女は、正体不明の“魔王”をあぶりだすべく、頭脳を駆使した心理戦をしかけていった。
流れるような長髪の美少女、宇佐美 ハル。
彼女こそが、京介の忌まわしき少年時代を、ともに戦ってくれた“勇者”だった。
十年ぶりの再会――
いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる――
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全六章から成る壮大な物語。
二章は椿姫、三章は花音、四章は水羽、五章はハルというように、ヒロインによって分岐する章が異なる。
上述の順にシナリオの丈は長くなり、より一層真実に近づいていく。
基本は学園モノ。
主人公の友人ポジションがいて、各種属性を取り揃えたヒロインがいる。時期の違いはあれどのヒロインも主人公に好意を持つ。
この辺りは良くあるギャルゲーである。
日常シーンも良くあるギャルゲーのそれで、特に存在意義は見いだせなかった。
別段面白いわけでもシナリオ上意味があるわけでもない。
ストーリーの流れとしては、勇者が仲間を駆使して最終的には魔王を倒す、で説明がつく。
各章で魔王は何かしらの事件を起こし、勇者とその仲間たちは頑張って苦難を乗り越えてゆく。
それの積み重ねで善と悪、愛と憎悪など様々な二面性を用いそれぞれを際立たせている。
テキストは前作までと同様読みやすく長時間読んでいても飽きにくい。
脚本も前作まで同様見事と言える。話の規模の広げ方や伏線の張り方は相変わらず見事の一言。
ただ意味のない比較ではあるが、前作までと比べると見事は見事なのだが、二回りくらいレベルダウンしている印象。
中途半端な一面が様々な部分で目についた。
物事や人間の二面性をテーマの一つとしたように感じたが、二面性を前面に出すにはインパクトが足りなかった。
浅井権三は悪役なのか立ち位置がいまいちだったり、某ヒロインの「人間らしさ」や某ヒロインの家族愛の描写がいまいちだったり。
例えば善と悪を際立たせたいのであれば、いずれも100%のそれを描いてくれないとインパクトに欠ける。
その意味で評価出来たのは、ハルのシナリオの最終章の主人公だけ。
他は100%まで達しておらず精々80%程度で、肩透かしを食らう場面が目立った。
水羽のシナリオに至っては50%程度にしか思えなかった。
シナリオが進むに連れて明かされる過去、裏設定という流れは既に使い古されていると思う。
それが悪いことだとは思わない。ただ、特に意外性を感じなかったのも事実。流れにも真実そのものにも。
前作までのような、後半鳥肌の立つような意外性や感動なども特に無い。
良作なのは間違いないがそれ以上でもない、そんな印象。
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| グラフィック |
イベントCGは差分含まず130枚ほど。原画は有葉さん。
可愛らしい絵は健在。表情豊かで動きも多い。お辞儀や移動などにより立ち絵が細かく動く演出のオマケつき。
メッセージウィンドウの左にキャラの表情を表す小さな顔グラがあるのだが、これはいらない。
立ち絵と同じ顔をウインドウにも出す意味があるのだろうか?
サブキャラに立ち絵が無いのが残念。堀部は是非とも立ち絵が欲しかったw
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| 音楽 |
Sound Modeで鑑賞出来る曲はボーカル含めて合計67曲。
作品の性質上クラシックをアレンジしたものが多い。
アレンジの仕方が非常に上手い。場面の雰囲気に良く合わせていると感じた。
「空の夕」「さようなら」「G線上のアリア」がお気に入り。
主人公以外フルボイス。時田の声は年齢的にどうなんだ、と思ったがそれ以外は特に。
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| システム |
バックログ:有
ボイスリピート:有
スキップ:既読判定あり
セーブロード:サムネイル、日付、New表示有
オートセーブ:無
クイックセーブ:有
オートモード:有(速度調節可)
話してによって台詞の色が異なるのが有り難かった。
シナリオ上大半がメッセージウィンドウの上に話し手の名前が表示されない状態で進むので。
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| 総評 |
少年マンガ的展開が多く勿体無い感じがした。もっと極端な描写が出来たら凄いことになっていたのにと思う。
商業エロゲである以上ある程度は売れることを考えなければならず、ヒロインのキャラや描ける描写に縛りが生じるのは致し方ない。
全てを一定水準以上にするのは難しいなと思った。
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