| コメント |
| ストーリー |
ライターは「螺旋回廊」「君が望む永遠」の鬼畜人タムー氏。
多元的に話が進むので物語全体を把握しやすいこと、絶望の描写が凄いことの長所は健在。
シナリオ構造は「螺旋回廊」と同じで周を重ねるごとに徐々に全体像が把握出来る様になる仕組み。
別のキャラの思惑やそれまで分からなかった部分が分かるので、話に厚みが生まれる。
話全体の完成度も高い。
プロローグから何時間かは日常的シーン、主人公とヒロインとの交流が描かれている。
だが少しずつ少しずつ非日常の兆しが見えてくる。そしてある一点に達すると一気に・・・という流れ。
いつ来るか分からぬ非日常への恐怖、一気に押し寄せてきた時の恐怖の二つが味わえる。
実に趣味が悪い展開(褒め言葉
上記の通り非日常部分の各キャラの心情描写は秀逸。背負ったものなどキャラの掘り下げが深い。
特に負の感情、追い詰められた時の人間の感情の描写は凄まじい。さらに磨きがかかっているかも・・・
勘違いや思い込み、嘘といったものによって生み出された感情もあり見ているほうとしては堪らなく辛い。
周を重ねるち他のキャラの思惑が分かり真実が徐々に見えてくる。
小出しにするやり方は読み手の好奇心を誘うし、各キャラの思惑と真実の絡み方、完成度の高さはかなりのもの。
約10個あるエンドはどれもが救いの無くとにかく悲惨。どれもこれもかなり後味が悪い。
「真実を知ることが必ずしも幸せとは限らない」がコンセプトだから仕方ないのだろうが、さすがに辛いものがある。
この作品最大の欠点は悪役の掘り下げ不足と、コンプしても謎が残ること。
主人公とサブキャラ、ヒロインたちの掘り下げは上記の通りとても良いのにも関わらず。
悪役は結局正体不明(おそらくコイツだなと思えるヒントはある)
何を思って一連の「ゲーム」を行ったのかも良く分からない。その他にも不明な点がいくつか。
「螺旋回廊2」でもそうであったがこの点は非常に勿体無いと思う。
一番最後のシナリオも全体の締めとするには弱い、というか締めになっていないのも微妙な点。
今まで分からなかった部分が覗けるという意味では良いが全体の締めくくりにはなっていない。
結局後味の悪さだけが残る。
とはいえ上記の通り各キャラの心情描写を含めた掘り下げは相当なもの。
悪役たちもこれくらい作ってくれていれば・・・
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| グラフィック |
イベントCGは差分抜きで約60枚。
枚数だけ見ると少なく感じるが実際プレイしているとそうは思わなかった。
立ち絵、イベントCGともにかなり特徴的な絵。骨ばっているというか・・・裸の絵だと余計それが顕著。
リアルな絵でこういう話なので結構辛いものがある。
絵自体下手ではない。作品には合っていると思う。
特筆すべきは演出。これほどのものはそうはない。
画面は横幅が広く、テキストはウインドウ形式ではなく字幕形式。映画を意識してのものだろうか?
各キャラごとにセリフの色が違うのは分かりやすくて良い。
実際の写真を加工して作ったであろう背景と、画面が場面に応じて揺れたりする演出はとてもリアル。
キャラの動きも立ち絵を画面上で動かすことで表しており、まさに映画のよう。
しかし悪役や主人公の立ち絵がシルエットだけというのはどうなんだろう・・・
特に主人公はイベントCGではちゃんと絵として存在するのに、立ち絵はないという謎設定。
映画を意識させておきながらこれはちょっと不自然かなと。
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| 音楽 |
信じられないことに音楽鑑賞モードがない。なぜ?
音楽のクオリティはかなり高く、怖さを助長するようなものばかり。
無音のシーンとの使い分け方も上手。低音の楽器を使うことで迫力も出ている。
ボーカルは2曲、EDは歌詞・メロディーともに秀逸。
女性陣フルボイス。有名な人もいればそうでない人もいる。演技は皆素晴らしい。
素晴らしすぎて読み手は死ねる。。
こういう作品で男性陣にボイスがないのは減点材料。
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| システム |
「君が望む永遠」「螺旋回廊2」同様にrUGP。とても使いやすく軽い。
ホイールアップでバックログ、ボイスリピートあり。
ボイス再生中はBGMの自動的に音量が低くなる。
ホイールダウンでメッセージ送り。
既読部分の自動スキップ機能あり。
セーブロードはサムネイルとコメント表示。ゲーム中の日時が表示されてくれれば尚良かった。
バックグラウンドでも動作可能。
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| 総評 |
ほんの少しの歯車の狂いが多くの人間を狂わせ、人生を歪めてしまう・・・そんな悲劇が実に克明に描かれている。
主要な登場人物たちの思考回路は人間的、オチも現実的で物語としての完成度は高い。
悪役にももっと目を向けられればさらに高い評価になっただろう。
悲劇好きの人にはお勧め。救いは一切ないのでw
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