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――こんな噂がある。
平和なはずの学校で日夜繰り広げられる殺人儀式。
殺人鬼たちは学校に生贄を放ち、追い詰め、凌辱し、殺し尽くす。
選ばれる生贄にはなんの共通点も無く、ただ殺人鬼たちの目に留まったがために生贄となる。
いまだ一人の生還者もおらず。
また、これからも現れることは無いだろう。
狙われれば命は無い。
それが――アビスと呼ばれる噂だった。
幼い頃より殺人者となるべく育てられた少年がいた。
彼は必死に闇の中を生き抜いた。
だがある日彼は失敗作とされ、日本へと送り返されることとなる。
人間らしい感情を持たぬ少年は、周りから浮き立ち、自分の家にすら馴染めずに孤立していく。
そんな時、少年は一人の少女に出会う。
少女は少年に人間らしさを取り戻させた。
少年よりもずっと弱いはずの少女は、少年を守った。
それはなんとも微笑ましくも儚い、少年の記憶。
少年は成長した。過去の記憶もすっかり色あせ、普通の人間としての生活を続けていた。
だが――
笹山晶は生徒会の仕事の最中に居眠りをしたことがきっかけで、とんでもないことに巻き込まれる。
出会ったのは白い仮面の殺人者。
噂でしかなかったはずの存在。
そう、それはアビスと呼ばれる他愛の無い噂話だった。
この日を境に、晶は再び殺人者たちの世界へ――
光から闇の世界へと舞い戻ることとなる。
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C76版をプレイした感想です。
コンプリートして改めて思うのは、テキストの読みやすさと読み手を引き込む力の強さ。
予想の斜め上を行く出来事の連続、謎と真実の見せ具合の上手さ、時に読み手に想像させる部分があったりと、あの手この手で読み手を引き込む。
お見事としか言いようがない。
攻略順序は固定であり、周を重ねるごとに新たな謎が浮かびあがりかつ真実が明らかになる。
毎周行われるのは「ABYSS」でそこは変わらないのだが、核となる人物や焦点となる事柄が異なるため、飽きない。
序盤で謎を提起し伏線を張り、中盤から少しずつそれらを回収し、終盤で全てが明らかになる。
この作品は風呂敷を広げる過程は秀逸なのだが、畳む過程は今一つというのが率直な感想。
まず登場人物たちのキャラクターが微妙。
これは序盤から感じる部分だが、どのキャラも現実的な部分・ゲームならではのぶっ飛んだ非現実的な部分いずれも中途半端。
個性はあるのだが強くなく、比較的強いキャラでも何をウリとしたキャラなのかがいまいちだった。
結果主人公は陰が薄く、大して捻っていない鬼塚や聖先輩が最も印象に残る始末。
また、日常会話が面白くなくシリアスな部分とのon-offもやや不自然な印象だった。
序盤からそのマイナスは感じるものの、上述の通り風呂敷を広げる過程が見事であるためそれはあまり気にならない。
しかし畳み始める辺りから気になってくることがある。
良くも悪くも少年マンガのノリなのだ。
登場する敵はどんどん強くなりそれに伴ってこちらもどんどん強くなる。最終週はそれこそ限界突破のバーゲンセール。一般人クラスはなぜか程よくチート。
伏線回収や明かされる真実は驚きのものが多いが、中には今までの流れから全く予想出来ないものもあり、「そんなオチかよ」と思ってしまうことも。
他にも回収されなかったり、重要そうに見えていたにも関わらず扱いがいまいちだったりする事柄が散見された。
中盤から終盤にかけて増えていく戦闘シーンは緊迫感こそあるものの、ワンパターンだったり呆気なかったり。
徒手空拳と刃物がメインなので致し方ないのかもしれない。
また先程述べた限界突破のバーゲンセールについてだが、現実的な部分と非現実的な部分が中途半端に織り交ざっている。
前者に偏っていた鬼塚だけは輝いていたが、それ以外はどっちつかずの印象。
脚本が素晴らしく、起承転結の起承辺りまでは非常に面白い。
だけど転結になってくるとしぼんで来る、端的にまとめるとそんな感じだろうか。
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| グラフィック |
イベントCGは差分含まず合計70枚ほど。
基本的な部分はC72版を参照のこと。
立ち絵が追加されたキャラが何名か。出番の少ない雑魚にちゃんとした立ち絵があるのが好印象w
見る角度によって多少顔が変わるキャラはいるが大して気にならない。
背景は写真加工。
ラストバトルの演出には鳥肌が立った。
エンディングスタッフロール中の背景の手の込みようにも感服。
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| 音楽 |
音楽鑑賞モードで聞けるBGMは47曲。
そんなに沢山あったのか、というのが率直な感想。
戦闘関連の緊迫感あるBGMとOZさんの歌が耳に残った。
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| システム |
C72版を参照のこと。
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| 総評 |
先が気になって仕方がないと書き続けてきたが、その頃が一番評価が高かった。
少年ジャンプに掲載されそうなバトルマンガのようにまとまってしまったのが悲しい。
後半に中盤までのクオリティが欲しかった。
値段等々を考えれば充分楽しめたが、途中までが神がかっていただけに残念。
全員が鬼塚と聖先輩くらいの輝きを持っていたら、それだけで凄い作品になっていただろう。
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