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――こんな噂がある。
平和なはずの学校で日夜繰り広げられる殺人儀式。
殺人鬼たちは学校に生贄を放ち、追い詰め、凌辱し、殺し尽くす。
選ばれる生贄にはなんの共通点も無く、ただ殺人鬼たちの目に留まったがために生贄となる。
いまだ一人の生還者もおらず。
また、これからも現れることは無いだろう。
狙われれば命は無い。
それが――アビスと呼ばれる噂だった。
幼い頃より殺人者となるべく育てられた少年がいた。
彼は必死に闇の中を生き抜いた。
だがある日彼は失敗作とされ、日本へと送り返されることとなる。
人間らしい感情を持たぬ少年は、周りから浮き立ち、自分の家にすら馴染めずに孤立していく。
そんな時、少年は一人の少女に出会う。
少女は少年に人間らしさを取り戻させた。
少年よりもずっと弱いはずの少女は、少年を守った。
それはなんとも微笑ましくも儚い、少年の記憶。
少年は成長した。過去の記憶もすっかり色あせ、普通の人間としての生活を続けていた。
だが――
笹山晶は生徒会の仕事の最中に居眠りをしたことがきっかけで、とんでもないことに巻き込まれる。
出会ったのは白い仮面の殺人者。
噂でしかなかったはずの存在。
そう、それはアビスと呼ばれる他愛の無い噂話だった。
この日を境に、晶は再び殺人者たちの世界へ――
光から闇の世界へと舞い戻ることとなる。
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C73版をプレイした感想です。
基本的な部分はC72版を参照のこと。
相も変わらず読み手を引き込むのが上手いテキストと展開。
戦闘シーンでは短い時間の中で浮かぶ思惑を細かく描いており状況と共に心の動きも良く分かる。
グラフィック面の演出、BGMと上手くコラボしている。
今回はC72版に黒塚幽のルートが追加されている。
温子さんもそうだったが、この作品のヒロインは主人公にベッタリというわけではない。
ヒロインは己をしっかり持っており、恋愛偏重の流れは一切見られない。
主人公と徐々に信頼を深め物語の核心に迫り、結果として恋愛に行き着く。
戦闘シーンの臨場感や物語の孕む謎に目が行きがちだが、どのキャラも非常に人間的に描かれており
人間ドラマ的な部分も評価できるだろう。
C72版では書かなかったが、主人公のキャラに対してどう思うかは評価が割れそう。
と言うのもこの主人公は普通のエロゲに良くいるようなタイプなので。
あまり我が強いわけではなくヒロインに流される。でもここぞの時はビシっと締める。
そんな使い古されたキャラなので作風と合っているかどうか、は読む人によって評価が分かれるだろう。
個人的には今ひとつ。
ただ主人公にはまだまだ謎が多く、それを包み隠すための隠れ蓑、真の姿とのギャップを
産みだす為にわざとそのような無難なキャラにした、と深読みできる…かもしれない。
幽ルートをクリアして分かったのは、この作品はヒロインを攻略するにつれ徐々に核心に迫る展開を取っているということ。
攻略順序が固定であり今まで2つのルートはエンド自体に謎があってすっきりしない終わり方だった。
なのでおそらくは「BALDR FORCE」のような見せ方を取っているのではないか、と予想される。
あるルートで提起された謎が別のルートで解き明かされたりする。
かと思えばまた新たに謎が提起され、さらに答えを示唆するようなヒントを提示してくる。
これにより残った謎に対する答えを考えさせられ、先の展開への興味を持たせてくれる。
このVerにより少なくとも他に琴子と爽のルートがあることが判明した。
那美のルートはまだしっかりとしたエンディングを迎えていないので、実質残り3人分のルートがあることになる。
最後にグランドルートのような、全ての謎が解き明かされるルートがある可能性も否定できない。
いずれにせよ次のVerが非常に楽しみ。
現時点での謎(超絶ネタバレ注意!)
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・晶
どうやら追い詰められると戦闘力が飛躍的に上昇する代わりにその間の記憶を失うようだ。
温子さんのルートで感じたいくつかの違和感、幽とのラストバトル。
そして…まさかとは思うが、自分の身内を殺したのも晶なのだろうか…
那美の目の前で3人殺したのはどうやら揺るがない事実の模様。
3人のうち2人は片山の兄と幽の兄。
・鬼塚
出番は少なかったが、最後の戦いで「こっちも負けられなくなった」と言っていた。
行動理念には色々深いものがありそうだが他のルートで描かれるのだろうか。
・切り裂きジャック
出番無し。
・龍一
黒塚幽には関わるな。
どういう意味でこの発言をしたのだろう?
まさか晶が幽の兄を殺したことを知っていたのか?だとしたら一体何者?
・那美
那美ルートと行動はほぼ同じ。
やはり中三の時に晶に殺されかけたようだ。晶本人は覚えてないが。
・偽有紀
出番無し。
・黒塚幽
兄をABYSSに殺されたと思っていたら実は晶に殺されていた。
両親は…まさかこちらも晶に、なのだろうか。それはまだ不明。
ラストバトル、晶が記憶を無くしていることを考えるとまさか…幽を殺したのだろうか。
・ラピス
まさかの正体は真ヶ瀬先輩説浮上。確かに目元や体格は似ている。
しかし目的はさっぱり分からない。
・高槻良子
出番無し。
・タカツキリョウコ
出番無し。
・聖先輩
温子さんルートではチェーンソーを使っていたが今回はダイアログ使用。
いずれのルートでも晶とは戦わなかった。
鬼塚との繋がりは深そうだ。
この人もいずれ目的などが描かれそうな気配。
・ABYSS
丸沢は転校したことになっていたが実際はどうなった?殺された?アーチェリーの女に?
アーチェリーの女の素性は結局分からず。事後処理班らしいことは分かった。
だがそれにしたってあの戦闘力。
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| グラフィック |
現時点で見ることの出来るイベントCGは合計50枚ほど(伸べ枚数)
細かいことはC72版を参照のこと。
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| 音楽 |
音楽鑑賞モードは現時点では見れないため何曲かは不明。ボーカルはなし。
C72版と同じ。
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| システム |
C72版と同じ。
パッチは元々あてられているので手動であてる必要はない。
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| 総評 |
先が気になって仕方が無い。
全ての謎が解き明かされるのはいつの日か―
この値段でこれだけの質、やらないのは勿体ない。万人にお勧めの作品。
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